先週7/27(金)に、初めてeスポーツを観に行きました。
日本にいるときから気にはなっており、アメリカでぜひ本場のeスポーツの大会を見ておきたいと思っていたので、実現できてひとまず良かったです。
私が観戦したのはOverwatch Leagueです。
このリーグは、Blizzard Entertainmentという会社が制作した「Overwatch」というアクションシューティングゲームで競い合うリーグで、PlayStation4、Xbox One、PCからプレー可能です。
日本ではあまり有名ではないかもしれませんが、全世界のゲーム人口は4,000万人いるそうで、かなり人気が高いゲームだと思われます。
(参考:https://www.statista.com/statistics/618035/number-gamers-overwatch-worldwide/)
今回が初のリーグ決勝大会となり、場所は約2万人収容可能なニューヨークのバークレイセンターで開催されました。(実際は会場の半分ほどはつぶされてましたが)
決勝は2日間行われ、2万2,000人のファンが観戦に訪れたそうです。ちなみにネットではTwitch、テレビではアメリカの大手スポーツ放送局のESPNが、ライブ中継していました。(Twitchの視聴者数は25万人)
私が観戦したのは決勝1日目でした。
他のスポーツとは違うと思った点を記載しながらレポートさせていただきます。
※なお、「eスポーツはスポーツなのか」という議論が度々なされますが、この中では一旦スポーツの一種として記載させていただいておりますので、ご了承ください。
<会場の盛り上がり>
一番圧倒されたところです。
話には聞いていましたが、決勝戦ということもあり、1万人以上の観客がバークレイセンターを埋め尽くしていました。
なんとも言えない初めての感覚でした。
何がこれから始まるのかわからないので、何が起きるのかというワクワクと、どういう心持ちでいればいいのかわからないという不安と。。
ちなみに始まってからの様子はこちらです。
今回、私はほとんどゲームを理解せずに観戦に行ったため(一応調べていきましたが、数時間で理解するには難しかったです。。)、そもそもゲームの中で何が行われているのかわからず、完全についていけてなかったです。。
<グッズ販売>
こちらも一般的なスポーツと異なる点があると感じました。
もちろんTシャツやキーホルダーなど一般的な物も扱っていましたが、目玉商品はフィギュアなのではないでしょうか。
ゲームとフィギュアは切っても切り離せない関係です。
こちらが会場に売っていたのですが、なんと1体450ドル(約5万円)。
実際これが何体売れたのかわかりませんが、今後この業界がさらに発展して、限定グッズなど販売し始めた場合、グッズ収入だけでも大きな収益が見込めるのではないかと思いました。
<エンタメ要素>
・DJがいる
会場を盛り上げるためだと思いますが、DJブースが設置されており、大会前、大会中、大会後に音楽を流していました。もちろん観客はノリノリです。
・司会、レポーターが会場を盛り上げる
最初にこの大会の司会らしき人が出てきて、会場を盛り立てていました。
司会が登場しただけでこの盛り上がりようです。
そのあともゲーム間やハーフタイムなどでは彼が会場の人にインタビューをしたりして、飽きさせないような取り組みを行っていましたが、このあたりは野球などのスポーツを参考にしているのかなと思いました。
しかし、会場に来ている観客に対してインタビューをしてクイズを出す企画を行っていたのですが、その内容がまたマニアック。
ゲームステージを切り取った画像を見せて、「どこのステージか?」当てるクイズでしたが、素人の私には全くついていけない内容でした。
恐らくゲームを理解している人からしたら、楽しい時間だったと思います。
今回、前述したように私はほとんどゲームを理解せずに観戦に行ったため、ゲームの内容がわかっていないと完全についていけない運営になっていました。
やはり今後オリンピック種目になる可能性があることや今後の市場をさらに発展させていくことを考えた際、「万人が楽しむことができるか」が重要なポイントだと思われるます。
また、ここが解決できない場合、ゲームプレーヤー以外の観戦者を増やすことができないということになります。下記の絵で示すと斜線部分になります。
(以下の絵は単なる現状のイメージ図です)
サッカーなどのわかりやすいスポーツであれば、「自分はプレーしないけど、観ることが好き」というファンは多くいると思います。ただ、eスポーツの今の現状を見ていると、その状況を作り出しにくそうだと感じてしまいます。
スポーツ市場の発展には、ファンの存在が一番重要ですし、そのπを増やせないと、ビジネス的発展は目指せません。ここが今後eスポーツを発展させていく上での最大の問題点となるのではないでしょうか。
<放映権>
これが他のスポーツとの最大の相違点なのではないかと思います。
今回Blizzard Entertainmentが販売したゲームを使ったリーグでしたが、著作権の問題で放映権はゲーム制作会社の懐に入っているのではないかと思われます。(ここはまだ曖昧な部分で、はっきり決められているわけではないです)
アメリカのプロスポーツの場合、放映権はリーグやチームが持っており、独自のコンテンツとしてテレビ局に売りさばき利益を上げています。
しかしeスポーツでは、著作権の関係上どうしても権利がリーグ・チームではなく「ゲーム制作会社」に権利を持たさざるを得ず、リーグが放映権でビジネスを成立させていくというモデルは通用しないのではないかと思います。
eスポーツのリーグ自体は今後どのような形で収益を上げていくのか非常に興味深いです。
日本では2018年が「eスポーツ元年」と言われていますが、その通り各地で様々な動きがみられます。
実際、今年に入って以下のような動きも出てきています。
・日本プロ野球機構(NPB)が「スプラトゥーン2」を使ったeスポーツリーグを来春開催予定
アメリカでのeスポーツの熱狂を感じた今、日本でも上記の動きも出てきているため近々同様の光景が見れるのではないかと思っています。
またeスポーツは高額な賞金が話題となることが多いですが、そこばかりが押し出されないよう一スポーツとして、純粋に楽しめるようなものになってほしいと思います。
個人的にはまだ馴染みがないため勉強が必要ですが、私自身はこれからの発展が楽しみですし、eスポーツの動向は引き続き今後も見守っていきたいと思っています。
NYC Sports Report
2018年6月からの3か月間、ニューヨークに滞在中に訪れたスポーツイベントや施設などをお伝えいたします
0コメント