米スポーツ界で活躍する女性たち

自分が女性だからかもしれませんが、スポーツの現場に女性がいると、妙に興味を持ってしまいます。

日本ではあまりスポーツの現場(特にメジャーな野球やサッカーなど)で女性を見かけることが少ないことも一因かもしれません。

アメリカに来てから、アメリカのいろいろなスポーツ中継やネットニュースを見ている中で、気になった女性が何人かいたので、今回3人ご紹介したいと思います。




①Aly Wagner(アリー・ワグナー)


今回アメリカではFOXでFIFAロシアワールドカップの中継が行われており、私も試合が行われている際は観ていました。

その中継を観ている中で、気になった方がアリー・ワグナーという方です。

<経歴>

・アメリカ・カリフォルニア州出身、1980年8月10日生まれ(37歳)

・WPS(Women's Professional Soccer)のロサンゼルス・ソルとアメリカ女子サッカー代表選手として活躍

・アテネ五輪、北京五輪に出場し金メダルを獲得

・FIFA女子ワールドカップにも2回出場し、両大会とも銅メダルを獲得

・2010年1月に現役引退


彼女はなんと女性で初めて、FIFAワールドカップの試合の解説者に選ばれました。

こちらが彼女の解説映像です。


初めての女性解説者ということで、アメリカでも話題になりました。

彼女はインタビューの中でこのように述べています。

「男性や若い男の子たちに、女性の声で解説を聞かせることは本当に重要だと思う。男女関係なく良い分析がされていれば、それは問題ではない」

(参考:Fox Sports' Aly Wagner on breaking barriers, broadcasting from a studio and teams to watch in the World Cup


サッカーに対する知識もないため、この方の解説が他の方と比べてどうだったかはわかりませんが、今後多様性を意識していく中で、どのスポーツにおいても女性解説者を増やすなどして、性別の垣根を超えてスポーツを楽しんでいければと思います。


②Nancy Lieberman(ナンシー・リーバーマン)


アメリカのバスケはNBA以外にもBig3という3人制プロバスケットボールリーグがあります。

NBAシーズン終了後の夏のシーズンに開幕するので、1年中バスケを楽しめるようになっていますね。

そのテレビ中継を見ていて映ってきたのが、ナンシー・リーバーマンという方です。


この方は現在Big3の「Power」というチームの監督なのですが、実はアメリカの男子プロスポーツリーグで、初の女性監督になった方だそうです。

それが理由なのかわかりませんが、テレビにも何回も映し出されていました。

<経歴>
・アメリカニューヨーク州出身、1958年7月1日生まれ(60歳)

・高校在学中、モントリオール五輪に出場し、銀メダルを獲得

・女子プロリーグのWBLチームに所属する一方、男子プロリーグであるUSBLのチームとも契約し、男子プロリーグでプレーする初の女子選手となった

・1996年にはバスケットボール殿堂、1999年には女子バスケットボール殿堂入り

・1998年に引退し、デトロイト・ショックのゼネラルマネージャー兼ヘッドコーチに就任


経歴を見ても、女性バスケットボール選手としてパイオニア的存在だということがわかります。


プロチームの監督という観点では、女子チームの監督を男性が務めることはよくありますが、男子チームを女性が監督する姿はあまり多くないような気がします。

競技によっては難しい部分もあるかと思いますが、今後男性のプロリーグで、女性監督が活躍している光景が、当たり前になる日が来るかもしれません。



➂Brehanna Daniels(ブレハナ・ダニエルズ)


最後にご紹介するのは、NASCARの現場で活躍するこの方です。
NASCARとは、アメリカ合衆国で最大のモータースポーツのレースです。

ブレハナ・ダニエルズは女性アフリカ系アメリカ人タイヤチェンジャーとして、初めてNASCARに参加したそうです。


<経歴>

・バージニア州ノーフォーク州立大学出身

・1994年1月26日生まれ(24歳)


彼女はもともと大学のバスケットボール選手でしたが、NASCARが開催している「Drive for Diversity」というプログラムに参加したことをきっかけに、NASCARのピットクルーになりました。

(参考:College athletes put to the test in 2018 Drive for Diversity Pit Crew Combine


NASCARが開催している「Drive for Diversity」とは、人種の多様性を高めるため、少数民族や女性などのマイノリティーを対象とした、未来のドライバー・ピットクルーなどを育てるためのプログラムです。

他にも「NASCAR DIVERSITY INTERNSHIP PROGRAM 」というサマーインターンシッププログラムも開催しており、ダイバーシティに関して重点的に取り組んでいることがわかります。

(参考:NASCAR DIVERSITY INTERNSHIP PROGRAM


私もたまにテレビでモータースポーツを見てますが、タイヤ交換のシーンは緊張感があり、完璧にこなせると美しさまで感じます。

日本でこのようなプログラムが開催されていたら、私も参加していたかもしれません。。


このように、スポーツ団体が行っているダイバーシティに対する取り組みは、日本のスポーツ運営団体、リーグなどぜひ参考にしてほしいと思います。





以上、アメリカのスポーツ現場で活躍している女性3名を紹介させていただきました。

今回様々なスポーツ現場で活躍している女性を調べさせていただきましたが、それぞれ「初の」解説者、監督、タイヤチェンジャーだったため、アメリカのスポーツ現場でも多様性という観点については、まだ発展途上で、完全に進んでいるという状況ではないということがわかりました。


私が所属している会社でも行われていますが、最近日本でも企業が女性社員を増やしたり、女性のリーダーを育成したりするなど様々な施策を取っており、ダイバーシティに関する意識は以前に比べて高まってきたように思います。
スポーツにおいては、日本は男女問わずスポーツ経営人材の不足が叫ばれており、育成するためのプログラムなどが多数出てきましたが、こういった潮流だからこそ、スポーツ経営人材育成に関する取り組みを実施する際は、ぜひダイバーシティという観点を忘れずに取り組んでほしいと思います。

かく言う私自身も、スポーツの現場で活躍できる女性になれるよう、努力を積んでいきたいと思います。


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